日本水泳連盟のYouTube動画配信について

昔は、自分の水泳大会の動画を見るためには、自分で撮影したビデオカメラをTVに繋いで見る、という手段しかありませんでした。。
スマホの普及も進み、5Gの時代がもう目の前に迫るなか、様々な動画メディアがどんどん登場しております。なかでも最大の動画コンテンツりょを誇るメディア”YouTube”に、ついに日本水泳連盟がオフィシャルチャネルを通じ、本格的に大会の動画配信を始めました。
1.日本水泳連盟のYouTube、どんなページ?

↑トップページはこんな感じです。
YouTubeで「日本水泳連盟」で検索してもらうと、すぐに出てきます。
現在のチャンネル登録者数は1.32万人(2020年5月現在)です。水泳連盟に選手登録している人数が約21万人ですので、全体の5%にも満たない数ですが、今後どんどん増えていってもらいたいですね。
日本水泳連盟は2016年のJAPAN SWIMでYouTubeの動画配信を行っており、実は4年前からYouTubeを使っています。しかし、その後しばらく動画掲載は行わらず、昨年2019年から日本選手権やジュニアオリンピックの全レースを掲載し始めたことで、閲覧数・チャンネル登録者数が増えてきています。
2.どんな動画が見れるの?
現在掲載されているのは、主に以下の大会のレース動画です。
- 日本選手権(競泳・シンクロ)
- ジャパンオープン
- JOCジュニアオリンピックカップ
- 日本一決定戦(競泳・水球)
- 日本学生選手権(インカレ) など
↓こんな感じで大会日別に掲載されています。(パット見では判別が難しい)
いまの時点で、掲載動画数は約100本超です。

各動画コンテンツは2〰4時間程度のものが多く、大会開催日別に全レースを掲載しています。一番長いものだと、8時間超の動画もあり、目当てのレースを探すのも一苦労に感じるコンテンツもあります。
3.YouTubeで大会動画を見れるメリットは?
①自分のレースを誰かに撮影してもらう必要がない。
自分の子供を応援しながら、片手にはビデオカメラやスマホをもって動画撮影。あとで撮影したビデオを見返してみると、自分の応援する声が入っており、しかも興奮のあまり手ブレがひどい、なんて思い出を持つ方は多いのではないでしょうか?
日本水泳連盟がプロのカメラマンを起用して撮影してくれた動画をあとでYouTubeで見れると思うと、安心して応援に集中できますね。さらに、観覧席からでは撮影が難しい、レース直前の至近距離での撮影もやってくれるので、すごく良い思い出になります。
また、10年以上前ですが、水泳大会で赤外線カメラを使った盗撮事件が発生して以降、カメラの持ち込みや撮影は事前許可制(有料のケースもあり)となっている大会がほとんどである為、なおさらYouTubeでの動画配信は嬉しいサービスです。
②他の人に簡単に見せることができる
自分のレース(雄姿)を、親や友人にYouTubeのページリンクを教えてあげるだけで、簡単に見てもらうことができます(ビデオテープを貸したり、容量の重い動画データを送ったりする必要はありません)。
また、同じスイミングクラブの仲間のレースや、ライバル選手、目標としているトップスイマーのレースも何度も見直し、研究することもできますね。
③動画の記録手段となる
YouTubeに動画保存されていれば、いつでもYouTubeにさえアクセスできれば見たいコンテンツを見ることができますし、自分のパソコンやスマホの容量を使って動画を記録する必要もないのはとてもありがたいです。
(もちろん、日本水泳連盟が動画を削除したり、そもそもGoogleがYouTubeサービス自体をクローズした場合には、見れなくなってしまいますので、ご注意ください)
4.今後、日本水泳連盟に期待すること
①対象レースを増やしてほしい
まだ、全国大会レベルで「トップスイマー」と呼ばれる選手が出場するレースに限定されているので、徐々にでもよいので撮影・配信する大会の種類を増やしていって欲しいと思います。
それでも、JOCジュニアオリンピックの動画掲載を始めたことは、非常に大きな意味を持つと思っておりますし、小中学生などが活躍するレース動画を増やせば、見る人は一気に増えると思います。
実際には撮影する手間やコストを考えると、すべての大会を対象にするのは難しいことは理解できますが、例えば、規模の小さい大会などは、至近距離(アップ)での撮影は実施せず、全体を撮影するのみであれば固定カメラでも実施可能だと思いますし、カメラマンさんがいなくてもできる撮影方法もあるかもしれませんね。
②動画をもっと区切って分かりやすく
先述の通り、最長で8時間オーバーの動画が掲載されておりますが、「自分のみたいレース」を探すのに非常に時間がかかります。また、レース順序が分からない場合には、少しづつ早送りをしながら探すというのは手間のかかる作業です。
もう少し短い動画尺でコンテンツを区切ってもらい、タイトルの付け方やタイトル画像なども工夫してもらい、できるだけ動画を探しやすい形で掲載してもらえると嬉しく思います。
また、少なくとも競技順序(すなわち動画配信順序)を各動画のコメント欄に記載してもらえるなどすると、もう少し探しやすくなると感じます。
③独自メディアでの動画配信をしてほしい(将来的に)
ここまでくるとだいぶ欲張りな希望なのですが、将来的にはYouTubeという動画プラットフォームへの掲載ではなく、水泳連盟が運営する動画サイトを立ち上げ、各種大会やトップスイマーの特集を行う「Swim TV」的な動画メディアができることが、スイマーたちは期待していると思います。
そうすれば、より自由度高く動画の編集や掲載もできるようになると思います。
例えば、レース映像上に選手名をバーチャルで表現したり、すぐに見たいレースが検索できたり、標準記録などの突破情報も掲載できたりするようになれば、動画メディアとしての価値もどんどん上がり、広告収入も見込める媒体に成長させられるのではないか、と妄想は膨らみます。
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