競泳は身長が高くないと速くなれないの?

競泳は身長が高くないと速くなれないの?
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①競泳に身長は関係あるのか?

一般的に、身長が高い人は「手脚が長い」、「手・足のサイズが大きい」という傾向があると思います。水泳というスポーツ自体が、いずれの泳ぎにおいても手と足を使って推進するという競技である以上、手足の長さやサイズは「推進力」に大きな影響を与えると考えられます。

水泳の推進力をボートのオールに例えてみると、手脚の長さ=オールの長さ、手足の大きさ=オールの先端の面積、と考えてみてください。長さが長ければ長いほど、遠くの水をキャッチでき、テコの原理も活かしやすくなります。また、手足の面積が広ければ広いほど、一度にキャッチできる水の量が増えます。つまり、「長くて大きい」の状態のほうが推進力が発揮しやすいことは、すぐに分かると思います。

実際に練習でフィンやパドルを使うことがあると思いますが、圧倒的に前に進む感覚を覚えると思います。まさに身長の差にそのレベルに近い推進力の差が生じてもおかしくありません。

②種目による有利/不利はある

ただし、種目(泳法)によって身長(≒手足の長さ・大きさ)が推進力に与える影響にも大小があると考えられます。手(プル)の動きで最もテコの原理を使って前に進む動きが、クロールとバタフライです。また、キックについても足のサイズによって差が生じると考えられます(フィンの有無と同様の原理)。

一方、平泳ぎは他の種目に比べ、身長による推進力の差が出にくい泳法だと考えられます。

③実際のデータによる比較

実際に、2019年の日本選手権決勝に出場した選手のデータ使って比較してみました。(表1)が男子50m自由形の決勝ランキング及び参加者の身長で、(表2)が男子100m平泳ぎの決勝ランキング及び参加者の身長です(各選手の身長については当サイト調べの数値です)。

(表1)

(表2)

見ていただくと分かる通り、男子50m自由形の決勝進出者の平均身長が183.4cmに比べ、男子100m平泳ぎの決勝進出者の平均身長は177.7cmでした。なんと、約6cmもの身長差です!

やはり短距離パワー系の花形種目である50m自由形は身長が高い選手が有利であることが推察されます。一方で、北島選手を筆頭に、日本人選手が世界で活躍してきた種目である男子平泳ぎに関しては、必ずしも身長が高いことが「勝つための条件」ではないことが、データからも見てとることができます。

④では、大柄な外国人に日本人は勝てるのか?

ひと昔まえは、「自由形では世界と戦えない」と言われていました。2mを超すような自由形短距離の選手の独壇場であったのは事実です。しかし、最近では自由形でも中村選手や松元選手などの活躍は目覚ましく、世界との距離はどんどん縮まっていると思います。実際に五輪や世界選手権でもメダルを獲得する選手も出てきました。日本人でも比較的身長の高い選手が自由形では活躍していますが、身長が低くても技術でカバーできる選手が増えているのです。

また、平泳ぎは日本の「お家芸」とも称されるように、昔から世界でも活躍している選手が多くいます。岩崎選手や北島選手、金藤選手など、五輪でも何人も金メダルを獲得しています。東京五輪でも渡辺選手や佐藤選手、小関選手など、世界レベルで戦える選手が何人もいるので、ぜひ世界一を目指して頑張って欲しいと思います。

つまり、平泳ぎでは常に日本の選手たちが世界でもトップレベルで戦っていること、自由形でも世界でメダルを獲得できる選手が出てきていることから、日本人だから体格的に世界と戦えない、ということは全くない時代になっているといういことです

⑤背を伸ばすために子供のうちにやっておくべきこと

とはいいながらも、競泳という競技はもちろん身長が高いほうが総じて有利であるのも事実だと思います。親の遺伝で身長が決まるともいわれますが、決してそれだけではないことが様々な研究結果からも分かってきています。親としては子供に競泳で将来的に世界と戦う選手に育って欲しいと考えるのであれば、できる限り背を伸ばすためのサポートをしてあげたほうが良いでしょう。

具体的には、以下のような取り組みが背を伸ばす為に必要だと言われておりますので、ぜひ実践してみてください(もちろん成果は個人差があります)。

①バランスのよい食事の摂取

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルが揃った栄養バランスのよい食事をしっかり3食、摂取することです。

②運動習慣

水泳以外にも、縄跳びやスクワット、ハイジャンプを取り入れることで骨が強く、長く、丈夫なものになります。

③適切な睡眠時間

成長ホルモンが分泌されるといわれる夜22時~深夜2時を含む睡眠時間を十分に確保することです。

⑥まとめ

  • 競泳において身長が高いことは一定程度、有利に働く
  • 特に短距離の自由形などは、背の高い選手が活躍する傾向がある
  • しかし、体格的に欧米人に劣る日本人でも、自由形で世界で活躍しはじめている。
  • なので、日本人でも競泳は世界と戦える!
  • 背を伸ばすためには、子供のうちから食事(栄養バランス)、運動、睡眠に注意するほうが良い。