子供の川遊びの危険性(泳げる人でも川では溺れる)

毎年、夏になると川での水難事故のニュースが増えますね。
しかも、お子様だけではなく、大人の方が亡くなる事故なども多発しております。ここでは、改めて川遊びの危険性をしっかり再認識いただき、細心の注意を払って川で遊ぶようにしていただきたいと思います。
1.川の水難事故について
令和元年の「警察庁生活安全局生活安全企画課」のデータによると、1年で水難事故者は1,538人おり、その内695人の方が残念ながら亡くなっています。695人の内、川で亡くなった方が225人でした(海は378人と、発生数としては最も多い場所になりますが、今回は川の怖さを中心とその対策についてお話したいと思います)。
2.川が危険な理由
①地形が複雑
川は複雑な地形をしており、急に深いところになったり、流れが強くなる場所があります。いくら綺麗な川でも、水面より上から地形を全部把握することは困難であり、歩いていて急に足を取られることがよくあります。
②水の流れが強い
外から見ると穏やかに流れているような川でも、中に入ってみると想像以上に速い川の流れに驚く経験をされたことがあると思います。特に雨の翌日など、水量が増えるときには注意が必要です。足がつくから大丈夫だと思って川で歩いていても、足を滑らせた瞬間に一気に流されてしまう可能性があるので、注意が必要です。
③浮力がない
これが海との最大の違いです。浮力があれば、余計な体力を使わずに浮くことを意識していれば良いですが、川の場合は流れに流されて、且つ浮いていることも難しいという状態になります。そうなるとよっぽど体力や泳力に自身のある人でも、水温により体力も奪われ、長い時間からだを浮かせようとするのは容易ではありません。
④天候の変化に敏感
雨の次の日は雨量が一気に増え、流れも強くなります。また、天候や時間帯(太陽の有無)によっては水温も変化するため、寒くて体温の維持ができないこともあります。
⑤救助が難しい
一度はやい流れで流されてしまうと、泳いで救助に向かうことは難しいです。一方で、海のように視界が広くないですし、浮力も活用できない為、探すことも困難です。また、よく救助した大人が溺れてしまうという話を聞くと思いますが、上記①~④という状況下、大人であっても救助は容易ではありません。
3.川での事故を防ぐためには(大人編)
①雨が降ってきたり、川の流れが強くなったら、即退散
とにかく天候の影響を受けやすい為、少しでも天候が悪化、もしくは川の流れが速いと感じたら、すぐに川から上がってください。
②飲酒後にで川遊びは絶対にしない
通常の状態であっても川の水難事故が起こる原因は上述した通りです。飲酒後の川への入水は言うまでもなく危険ですので、絶対にやめてください。
③とにかく、あなどらない
トップスイマーでも川では溺れて、大変な思いをしたという話を聞きました。泳げるから大丈夫、体力には自信があるから大丈夫、などの過信はいけません。足がつくから大丈夫、ということで調子に乗ってふざけるようなこともないよう、特にお子様は気を付けましょう。
4.お子様にご注意いただくポイント
①絶対に靴をはかせる
裸足やサンダルだと、川底の石に足を滑らせやすいので注意が必要です。また、川底には尖った石やガラスの破片などがあることもあります。足を痛めてしっかりと立てない状態になると、その瞬間に足を取られて川に流されることになるので、川遊びの際には水遊びようのサンダルを履いて入水するようにしましょう。
②ライフジャケットも着用させる
どんなに浅い川でも、どんなに短時間でも、必ずライフジャケットを着用しましょう。先述の通り、「浮力がない」というのが川の怖いところでもあり、体力を奪う原因です。また、ライフジャケットを着用していれば目立つ為、探しやすいという点でも着用をお勧めします。
③何か流されてしまっても、絶対に追いかけないよう教える
万が一、おもちゃやサンダルや靴が流されてしまっても、絶対に追いかけないようにお子様にはご指導ください。追いつくことは難しいですし、焦った状態で追いかけると、必ず足をとられてしまいます。
④そもそも、子供だけで遊ばせない。午後もダメ。
必ず子供だけで遊ばせずに、親が目を離さずに見守ってあげましょう。幼児だけでなく、小中学生の事故が増えているのも、子供たちだけで遊ぶ年齢こそ危険だと覚えておきましょう。また、午後は特に川が増水したり流れが強くなる為、できれば午前中に遊ぶほうが安全だと言われています。
川遊び自体を敬遠するのではなく、川の怖さや特徴をしっかりと知り、そのうえで遊ぶことが大切だと思います。
夏のシーズン、川をあなどることなく、全力で楽しんでください。
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